
新幹線が遅延したらチケット代金はどうなる?
新幹線も完璧ではありません。何らかの理由で、遅延することもあるでしょう。
利用者にとって、新幹線が遅延することはとても困ることですし考えたくもないかもしれませんが、いざという時のために、JR側の対応を知っておいても損はないはずです。
ここでは、新幹線が遅延した時のキャンセルのルールなどを紹介します。知識として持っていることで、実際に新幹線が遅れた際には役に立つかもしれません。
特急料金が丸々戻ってくる「2時間の遅れ」
もし乗車している新幹線が、予定到着時刻と比べて2時間をオーバーし到着した場合、特急券に関する代金は全て支払ってもらうことができます。
いわゆる払い戻しに応じてもらうことが可能です。
ポイントとなるのは、特急券のみ払い戻しに応じてもらえるという点。
新幹線に乗車しているということは運賃も支払っているはずですが、こちらは払い戻しの対象とはなっていません。
ちなみに、グリーン料金に関しても同様に返してもらうことはできないルールになっています。
運賃も払い戻してもらうための条件
なぜ2時間以上も遅れたにもかかわらず、運賃を返却してもらうことができないのか。
それは、遅れたとはいえ新幹線には乗車したからです。
特急列車の役割は果たせなかったため特急料金は返してもらえるが、目的地までは運んだため運賃は掛かるという理屈から、2時間以上遅れたとしても、払い戻してもらえるのは特急料金のみとなっているわけです。
仮に乗車する予定だった新幹線が遅延したため、それに乗ることができず、且つその新幹線に乗車したとしても2時間以上遅れて目的地へと到着するであろうと予測できるケースにおいて、もし新幹線に乗らないことを選択したのであれば、この場合は運賃と特急料金共に返還してもらうことができます。
目的地に行くまでの間にある駅までは行くことができたが、そこで乗り換える予定の列車に上手く乗ることができず、その時点で予定の列車に乗ることを断念したケースでは、乗車する予定だったけれども乗らなかった区間の運賃と特急料金を返してもらうことができます。
運んでもらった区間分は消費されることになるわけです。
新幹線の割引チケットを購入した場合は?
JRが販売している新幹線チケットには、正規料金から割引してもらえるサービスがいくつもあります。
ネット予約や早割系などで30%以上お得になるサービスもあるのですが、これらに関しては、サービスごとに新幹線の遅延に関する払い戻し等の決まりが異なるため、チケット予約前に十分に確認しておくといいでしょう。
サービスによっては、2時間以上列車が遅れても、一切払い戻しや返金に応じてもらえないものもあるので、確認の上、購入するようにしてください。
遅延の場合の払い戻しは自分で行わなければならない
もし新幹線が遅延したとしても、駅員さんなどが払い戻し作業を行ってくれる訳ではありません。
特急料金などを返してもらいたければ、自ら手続きをする必要があるのです。
2時間以上の遅延で特急料金を返してもらえることは説明しましたが、これの手続きは駅に設置されている清算所で行えます。
作業自体は難しくないので、もし遅延に巻き込まれたら、まずはこちらで払い戻し手続きを試みてみましょう。
列車の遅延が生じると、駅は混雑しがち。また、遅延したせいで時間がなくなりすぐに駅から離れなければならない場合、払い戻しの手続きは、後日駅の窓口で行うようにしてください。
当日のみしか手続きができないわけではありません。
ただ、後日の手続きには「遅延証明入りの特急券」が必須です。
必ずこれを受け取って駅を離れましょう。
この「遅延証明入りの特急券」は、持っている特急券を駅の自動改札機に通すことで受け取ることができます。
時間通りに列車が運行されると、新幹線のホームから出る時には、特急券は自動改札機に回収されてしまうのですが、遅延が生じた際のみ、「遅払い」と記載されて、再び特急券が改札機から出てくるのです。
これがなければ、後日の払い戻しには対応してもらえないので、大切に保管しておくようにしてください。
ただ、自由席の特急券の場合には、大幅に遅延した時でも改札機がきっぷを回収してしまうケースが見られます。
心配な方は、駅員さんに遅延証明を受けてから改札を出るようにしましょう。
指定席特急券の場合にはこのような心配は必要ありませんが、もし不安であれば、同じように駅員さんに尋ねてから改札を出てもいいのかもしれません。
旅行商品の新幹線チケットについて
新幹線のチケットは、しばしば旅行会社のツアー商品として販売されていることがあります。
これに関しては、遅延があった際でも、そのままでは駅の窓口などで払い戻しに応じてもらうことはできません。
ただ、遅延証明を受ければ、返金の対象としてもらうことができます。
払い戻しの手続きは駅の窓口ではなく、商品を購入した旅行会社で行いましょう。
ここが通常のきっぷとは異なるところです。
少し面倒ですが、遅れた分はちゃんと戻ってきますので、しっかりと払い戻してもらってください。
ICサービスを利用した場合について
近年ではICサービスが充実し、新幹線への乗車も、それを利用して行えるようになってきました。
モバイルSuicaなどがその例ですが、他にも、インターネットで予約するエクスプレス予約やスマートEXなどのサービスも同様に、非常に便利に新幹線を利用できるようになってきています。
こうしたサービスを利用している時に新幹線が遅延してしまったら、どうすればいいのでしょうか。
まずは、駅員さんに聞いてみましょう。
どのように対処すべきか指示や案内をしてくれるはず。
それに従い改札を通過することで、料金の返還の手続きを行うことが可能です。
こうしたICサービスはクレジットカードを利用してチケットの予約や購入をしているため、手続きが正しく行われれば、クレジットカードの口座へ返金されます。
ですので、後日、駅の窓口などに行く必要は無くなります。
ただ、他の列車と継続乗車の予定があり、それができなかったケースなど、場合によっては通常のチケットの払い戻しと同様の手続きが必要になることがあります。
これに関しても、遅延の当日、駅員さんに尋ねて善処してもらうといいでしょう。
意外と長い?チケット代返還手続き期限
急いでいる場合などは、遅延証明を受けることで、後日特急料金の払い戻しに応じてもらえると説明しましたが、この“後日”は、いつまで有効なのでしょうか。
新幹線が遅延し、それによって特急料金の払い戻しを受けたい場合には、その日から1年以内に手続きをする必要があります。
つまり、遅延証明入りの特急券の有効期限は1年間ということになるわけです。
この期間を経過してしまえば、たとえ遅延証明入りの特急券を持っていたとしても、その料金を払い戻してもらうことはできません。
それでも1年間もありますから、とても親切な設定となっていることは間違い無いでしょう。
新幹線の大幅な遅延に巻き込まれた時、誰もが心身ともに疲れることを予想できます。
しかし、払い戻しがあるということを知っておくだけで、疲れや、遅れたことに対する残念な気持ちも少なくて済むかもしれませんね。